今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
「行って来る」
「心配なさそうだけど、気をつけてね」
アンがさっぱり送りだせば、ミカエルはそれだけで頬が緩んで、がんばってしまう。意外と素直で単純な男だった。
「ああ、待ってろ」
その後、ミカエル大勝利の報は、ミカエル本人から指輪通信で聞いた。アンは「お疲れ」と言っただけだ。
だが、世の反応は違うらしく。