今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
ヘレナがきちんと王族に対するお辞儀をしていても見向きもせず、ミカエルはアンしか見えていない。
ヘレナはミカエルの偉そうだが、アンにはベタ惚れの部分には好感があった。
ミカエルがアンの手首を取ってずるずると引きずって行くと、アンは足を踏ん張って抵抗した。
「ちょっと、待って待ってミカエル!じゃあお願い聞いてくれたら食事してもいい!」
「お願いなんて聞かなくても俺とアンの食事は決定事項だ、行くぞ」
「んー俺様節ー!」
ミカエルはアンがキャンキャン騒ぐので、面倒だが、おねだり作戦にするかと考え始める。
「全く手がかかる……まあ、そこが可愛いんだけど」