今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
リリアに賛同するように、波紋のごとく嘲笑が広がる。誰も傷物令嬢であるアンを王太子の相手には認めない。
(ああー事実過ぎるー居づらいー)
アンは壁際からその騒ぎを見ていて頭を抱えた。それはそうなる。
これはアンが自ら望んだ評価だ。でもやっぱり、事実だとしても、望んだ結果だとしても、
女なので。
醜い顔と言われて、美しい王太子に相応しくないと言われれば、少し胸は痛んだ。