今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─



ヘレナが寝転ぶベッドで、ヘレナに覆いかぶさるミカエルは集中していた。


復活した魔王襲撃によりヘレナはアンの知る以上に重症を負ったのだ。顔に大火傷だ。


アンに心配かけまいとヘレナは怪我のことをアンに何も知らせなかった。


「ヘレナ、大丈夫だよ。私が傍にいるから」


ベッドの傍らに座るジェイドがヘレナの手を握り、ヘレナの周りに光が集った。


「はい、先生……」

「お前ら黙ってろ、いちゃこらされると手元が狂う」


ジェイドがミカエルに依頼し、ヘレナの火傷を治療中だった。ミカエルであれば治せる傷だ。

ヘレナの顔に手をかざしてミカエルしか扱えない最先端の治癒魔法を行う。最愛の人の誤解を受けたとも知らず。


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