今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
ヘレナの顔を綺麗に治したミカエルは、高度な魔法を駆使してくたくたの身体でアンの家へと向かった。
アンに癒してもらおうと、顔パスで玄関をくぐると珍しくアンの母親に呼び止められる。
「殿下、アンちゃんは客間にいますよ。自室は壊したくないとかなんとかで」
「俺に抱かれたいから、部屋変えたのか?アンは俺と寝たら部屋爆発すると思ってる?」
「あらヤダ、アンちゃんにきちんと性教育しなくちゃ!」
母親はアンと似ても似つかずのド天然女性だが、ミカエルと顔を見合わせてクスクス笑った。