今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

ジェイドが魔王を呼び寄せる作戦を立て、ミカエルが魔王を封印して使役魔にする準備が着々と進んだ。



ヘレナは魔王を浄化する聖魔法を磨くために、ミカエルに魔法訓練を受けしごかれることになった。


校内のダンスホールを貸し切って、ヘレナはミカエルから魔法を指導される。


聖魔法は独立した魔法であるが、基礎の扱いはどの魔法も似通っている。そんな基礎部分の修練のはずだった。


「は?こうだから、こうだろ?なんでできない?お前バカ?」

「え」


そう言って虚無の見つめ合う時間が増えるばかりで、ヘレナはミカエルのあまりの天才ぶりに驚かされていただけだった。


結局ジェイドとコツコツ聖魔法を訓練する毎日である。


ミカエルの機嫌は日に日に悪くて、横を通り過ぎるだけで魔力圧に当てられて倒れる生徒が後を絶たない。

ヘレナはアンが自宅で引きこもって授業にも出ていないと聞いて察していた。お二人はケンカ中だ。

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