今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

悪役令嬢、断罪です



アンが春のパーティに向けて家を出発した夕暮れ時、魔法高等学校の地下では異様な魔力がぶつかり合う大戦争が起きていた。


ヘレナを囮にした作戦が実行に移され、かかった魔王が出現したのだ。


この世の終わりかと思うほどの魔力のぶつかり合いを観戦する端っこで、ジェイドは震えるヘレナを抱き締めて防護魔法の中で静かにしていた。


「アッハハハハハハ!弱っ!ハーッハッハッハッハ!」


誰もが魔王のものだと思う奇々怪々な高笑いは、わが国の王太子ミカエル殿下のものだ。


「会いたかったぜ、魔王様ぁあ!!」

(誰にも聞かせられたものじゃないな……)
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