今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
ミカエルはリリアがこの火傷呪い魔法の実犯人だと直感していた。
「お前を断罪して死刑にするなんて俺には簡単だ」
リリアはミカエルの威圧する声が禍々しく重く、身が凍った。生物としてどちらの格が上か、断罪されるのはリリアだと脳裏に刻まれた。
「俺が本気なら、いくらでも本物の証拠が出せる。
見つからなかったとしても、お前がやろうとした捏造だって、俺はいくらでもできる。
お前より、完璧に確実に上手に、な?」
リリアが肩をカタカタと震わせて真っ青な顔をしていると、ミカエルは鼻で笑った。
「俺のアンを蔑んだ罪は重い。お前を死」
ミカエルが容赦なく断罪しようとすると、ジェイドがミカエルの口の前に腕を伸ばして言葉を遮った。
「殿下、今回はこれがありますので、情状酌量を」