今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

悪役令嬢、婚約どころではありません




だがこちらはまだ続く。


ミカエルに腰をがっしりホールドされたアンは、ミカエルにぐいぐい廊下を歩かされていた。パーティ会場に生徒が集中しており、どこを歩いても全く人がいない。


「ミカエル、どこへ行くの?」

「保健室。ジェイドに借りたから。アンの家まで、俺もう待てない」

「保健室……」


アンは保健室でヘレナとミカエルのキスを目撃したことを思い出して、気が重くなった。


おかしな形で発生した断罪イベントが終わり、パーティでヘレナがジェイドと仲良くしていたところを見ると、乙女ゲー本編は終わったのかもしれない。


(ミカエルが今も私の腰を離さないということは……横恋慕ルートじゃなかった?)

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