今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

断罪イベントで裁く側のミカエルが味方で、あっという間にアンを守って救ってくれてべらぼうにカッコよくたって、まだ納得いってない!


「待ってってば!私見たの!ヘレナとミカエルがここ!保健室でキスしてたの!」

「見間違いだな。お前それで拗ねてたのかよ?わかった、わかった。話終わりな」

「終わってない!!」


肌色が輝くミカエルがアンに覆いかぶさって、顔の両側に両手をついて顔を首筋に寄せてくる。


大胆に首筋を全部晒されたミカエルデザインの襲いやすい赤いドレスの無防備さをアンは今更恨んだ。


「私、ミカエルがヘレナと付き合ったんだと思って……」

「ありえない」


首筋にキスが降って、甘い刺激に震えながらアンは言葉を紡いだ。

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