今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─



傷物令嬢となってしまったアンを憐れに想う溺愛両親は、アンにメロメロ甘かった。アンは両親と食卓を囲んで明るいシャンデリアの下で美味しい料理を楽しんでいた。


「アン、無理に嫁ぐ必要なんてないぞ」

「そうよ、アンちゃんは好きなだけここにいればいいのよ」


両親はアンを抱き締め、ブロンドの艶やかな髪を撫でて笑った。アンは愛情をたっぷりもらって自然と笑みがこぼれる。


(たぶん悪役令嬢アンは、甘やかされ過ぎてわがままちゃんに育っちゃったんだろうな。だから手に入らないミカエルに異常に執着しちゃって悪役令嬢に……)


悪役令嬢アンの生い立ちを知って、本人の生き方次第だなこれはと痛感する。

アンは婚約者には恵まれなかったが、親ガチャは大勝ちだ。この環境であればアン次第でいくらでも幸せな道は開かれる。
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