今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
「アンちゃん、したいこと何でもやればいいわ」
「そうだ。俺たちのアンなら何でもできる」
「あ、じゃあパパとママにお願いがあるの!私、可愛くなりたい!」
「「もうそんなに可愛いのに!?」」
アンが紅の猫目できゅるんと可愛くおねだりすれば、両親は二つ返事で何でもやらせてくれた。
アンは鏡の中の着飾った自分を見つめて、両親と共に萌叫んだ。
「私って可愛い!」
「もうアンちゃん今さらよ!何しても似合う!」
「世の真理。神の贈り物」
アンは自分を着飾って心行くまで楽しんだ。前世の己の容姿などすっかり記憶から消去してしまっているが、今の自分の容姿がとびきり可愛いことはわかった。これを遊ばない手はない。