今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

ミカエルから夜以外は解放されて、アンは悪役令嬢の高スペックをフル活用して遊びまくった。

「楽しい」は原石だった才能を何倍にも伸ばしていった。

さらに、アンは地頭も賢くて10の努力で100を学べる脳みそを持っていた。


「先生!今日のおすすめの本は?」

「これなんかどうですか?呪い魔法の本でかなり高度ですが読み物としては面白いかと」

「先生ありがとう!読んでみるわ!」


家にある本などあっという間に読みつくし、魔法家庭教師のコアな本を読むのが楽しみだった。


(悪役令嬢の高スペック人生最高。楽しい……嫁の貰い手は今のところないけど、これは勝ち組だわ……)


本を読みながら、ベッドでまどろんでいると指輪が勝手に喋り出す。


「アン、今日の報告をしろ」

「ミカエル、私は……眠い」


ミカエルが笑っているような気がしたが、そのまま寝てしまった。

ミカエルとはそんな緩いお友だち付き合いで、アンの誕生日には変わった石が贈られてくるくらいだ。宝石でもないそこらへんに落ちていそうな石だ。

< 31 / 214 >

この作品をシェア

pagetop