今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

「これ何の石?」

「通信状態を良くする石だ」

「ああ、この指輪の通信たまに切れるからね」

「そうだ。石を飾る場所の方角を間違えるなよ」

「なんで置く場所まで決められるの」

「早く置け。置いてないのわかってるぞ」

「チッ」


なんでわかるんだこいつと思いつつ、部屋には毎年ミカエルから贈られてくる石が増えていった。

たまにホコリが溜まっているので拭けなどと小姑みたいなことを言いだすが、まあそれくらいの被害なので付き合ってやっている。


ミカエルの通信と小姑指摘以外のアンの毎日は、充実していた。

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