今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

この学校から追い出すなんて簡単過ぎる。

アンはミカエルの制服の襟につかみかかった。ジェイドが学校から去ったらヘレナとの恋愛ルートが絶たれてしまう!



「そ、それだけはどうかご勘弁を!!」

「ハァ、やっと俺に頼ったな」

「脅したの間違いでしょ?!」



アンにお願いされて、やっと顔をゆるめたミカエルはニヤついた。やり方はどうあっても、アンから頼られたなら勝ちらしい。俺様の理論が謎だ。

ミカエルはアンの右頬を優しく撫でて目を細め、アンの額に片手を置いた。赤い光が発して何か魔法が発動したことがわかる。



「ジェイドが好きなのか?」

「す、好き、好き大好き」

「ジェイド邪魔だな」

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