今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

アンがサンドイッチを口に頬張った瞬間に、最推し保健室の先生ジェイドの登場だ。


アンは思わず口からパンが噴き出そうになったが、公爵令嬢として積んできたマナーの意地で口の中に押し込めた。


「ヘレナに友だちがいたなんて知らなかったよ」


ヘレナに可愛く微笑まれたジェイドは、アンを話題に上げつつもアンを一切見ない。ヘレナしか見えない盲目最高か。


「せ、先生……からわかないでください」

「いや、良いことだと思ってね」

「先生ががんばれって言ってくれたので」

「そっか。よく頑張ったね。いい子だ、ヘレナ」


(推しいちゃこらぁ!これはあれだ!ヘレナ頑張って友だち作ろうイベントで、わ、私がヘレナのお友だちに選ばれたってことだったのね!最高!最高!お友だち最高!)
< 85 / 214 >

この作品をシェア

pagetop