今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

アンがせっかくジェイドに塩対応を直に頂けるところだったのに、邪魔されたのでイラっと声を上げる。


するとミカエルはむっと口端をわかりやすく下げて拗ね始めた。


「他の男と話さないって約束、破ろうとしたくせに」


顔が天才な王太子による拗ね顔の尊さに、アンの下腹がゾクッとキュンしてしまった。下腹疼く、ゾクキュンだ。


「本当に俺ばっかり、好きなんだな……」

「ぐっ……!」


俺様俺様俺様の高圧態度一本で来てくれたら、こいつムカつく!で返せるのに、なぜかちょいちょい可愛いを出して来るのがミカエルの悪いところだ。


「オコじゃなく、拗ね態度でくるのズルい!」

「なんだそれ、怒ってるだろ俺は」

「それはオコじゃなく、スネだよ!ミカエル!」

「は?」

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