今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
「ジェイドと口きくのダメって言ったのに、約束破ろうとしたんだから。
俺、怒ってすごいことするかも」
(ぐ、やっぱりそうくるか……すぐにジェイド先生を人質にとりやがって)
アンが警戒して眉間に皺を寄せる。ミカエルは一歩近づいて「あざと可愛い」をやってみる。
口端を下げて、
眉尻を下げて
首をこてんと寝かせて。
「だからアン、俺の機嫌とってよ」