澄ましたメイドのご主人様。
茉俐様の元まで,2人出歩く。



「突然手紙なんか届くからか,びっくりしたんだよね,ほんと」

「そうなんですか」

「何だと思ってみてみれば,可愛い女の子がいるから見に来いなんて。どんなだよって笑ったまま遅くなったけど,見に来たんだよね」

「なるほど」

「そしたら,びっくりする程俺好み。女の子好きでしょ? なんて自慢したくなる意味も分かる。その興味の欠片も無さそうな相槌も結構好き」

「元々こういう性格なんです。興味がないんじゃなく,今の会話に私が返すような言葉が見当たらなかっただけです」



それでも聞いてるだけでは無視になる為,聞いていると示すためだけに私は口を開けていた。



「そっか」



出雲様の手が,私のみつあみに触れる。

大したことではないけれど,驚いて。

胸のあたりが一瞬冷たくなって,私はつい足を止めてその手をじっと見た。
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