いつか永遠の眠りにつく日まで
いつか永遠の眠りにつく日まで
私にとって、この世界はひどく狭くて、退屈で。
そして、息苦しい。
「我がルチェルナ王国は、建国150年を迎えようとしている王国です。」
王室専属の家庭教師が、こほんと咳払いをして、堂々言った。
どうやら彼の本日のポイントは、綺麗な臙脂(えんじ)色のネクタイのようである。
「ルチェルナ王国は大陸の南に位置し、大陸全土の約3分の1を占める国土は、かつて大陸中最大でした。」
もう何度も聞いた話だ。
5歳頃から聞かされ続け、かれこれ13年は聞かされ続けている。
私は机に肘をつき、頬杖をついた。
「温暖な気候と豊かな土、そして周辺諸国との国交も栄えた我がルチェルナ王国は、非常に恵まれた国でした。」
そんなことくらい、知っている。
ふと目を閉じると、波の音が聞こえる。
この城は海に面して建っていて、私の背後にある窓を開けてバルコニーに出れば、目下は断崖絶壁、海が広がっている。
「聞いていらっしゃいますか、リーリア姫!」
「…もちろん聞いているわ。それも、13年も前からね。」
「貴方はこの国の王位継承権第1位。将来この国を背負って立つお方なのですよ!」
「……それも、もちろん分かっているわ。」
そして、息苦しい。
「我がルチェルナ王国は、建国150年を迎えようとしている王国です。」
王室専属の家庭教師が、こほんと咳払いをして、堂々言った。
どうやら彼の本日のポイントは、綺麗な臙脂(えんじ)色のネクタイのようである。
「ルチェルナ王国は大陸の南に位置し、大陸全土の約3分の1を占める国土は、かつて大陸中最大でした。」
もう何度も聞いた話だ。
5歳頃から聞かされ続け、かれこれ13年は聞かされ続けている。
私は机に肘をつき、頬杖をついた。
「温暖な気候と豊かな土、そして周辺諸国との国交も栄えた我がルチェルナ王国は、非常に恵まれた国でした。」
そんなことくらい、知っている。
ふと目を閉じると、波の音が聞こえる。
この城は海に面して建っていて、私の背後にある窓を開けてバルコニーに出れば、目下は断崖絶壁、海が広がっている。
「聞いていらっしゃいますか、リーリア姫!」
「…もちろん聞いているわ。それも、13年も前からね。」
「貴方はこの国の王位継承権第1位。将来この国を背負って立つお方なのですよ!」
「……それも、もちろん分かっているわ。」
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