いつか永遠の眠りにつく日まで
「……。」



そんな私の様子を見ていたレオ様は、表情を変えないまま、すっと目を細めた。

何を考えているのかは、全く読み取れない。



「下の。」



靴音を響かせながら私の横に立ったレオ様は、バルコニーの下に広がる庭園を見下ろしながら言った。



「下の、庭園を案内してくれないか。」

「え…。」



思いがけない言葉に、思わず驚きが口から漏れてしまった。

もう少し一緒にいたいなんて思ってしまったけれど、まさかそんなことを言われるなんて。



「嫌か?」

「い、いえ! ご案内いたします。」



私たちはバルコニーから庭園へ続く階段へと向かった。



「リーリア!」



不意に、後ろから名前を呼ばれて振り返ると、そこには険しい表情をしたマーテルがいた。


マーテルはつかつかとこちらへ歩み寄ると、私の横にいるレオ様を見上げた。

その目はレオ様を睨みつける一歩手前だった。



「リーリアの従兄弟のマーテルと申します。失礼ですが、どちらへ?」

「マーテル…!」



マーテルの言葉を聞いたレオ様は、片眉をぴくりと動かした。



「デネブリスから来た、レオという。」



名前を聞いた瞬間、マーテルが眉をひそめた。
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