いつか永遠の眠りにつく日まで
レオ様を振り返ると、美しい顔を歪めることもなく何かを思案している様子だった。

様子からして、何か深刻な事態のようだ。



「リーリア。」

「…はい。」



この国の姫としてあまり見過ごすことのできない状況のように感じた私は、ベンチから立ち上がろうと足に力を込めた。

（とにかく、マーテルに知らせないと…！）


その瞬間、レオ様に手首を掴まれ、そのまま引き寄せられた。


バランスを崩した私は、レオ様の胸に崩れ落ちた。



「は、離して下さい…！」



そう声を上げると、レオ様の表情が一瞬悲しげに歪んだ気がした。

思わず、驚いて目を見開いてしまった。


後ろから溜め息が聞こえた次の瞬間、後ろから布を当てて口を塞がれた。



「……！」



（まずい…！）

そう思った瞬間には、時すでに遅し。身体が言うことを聞かなくなり、瞼が落ちてきた。


（マーテル…。）


私はそのまま、気を失ってしまった。
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