いつか永遠の眠りにつく日まで
その頃はまだデネブリスの勢力はこれ程までに強くなく、私は周辺諸国の王子と婚約をしていた。

しかし周辺諸国がデネブリスに吸収されてしまったため、今ではマーテルが私の婚約者である。



「程々にね、マーテル。怪我でもしたら大変よ?」

「男は怪我の1つや2つ、どうってことないさ。お前こそ、あんまり根詰めすぎるなよ。」

「…ありがとう。」



マーテルに対して正直恋愛感情はないが、私には同年代の知り合いは彼しかいないため、婚約自体は賛成だった。



「しかし、同い年だってのに、背負ってるものが重すぎるよな。」

「ふふ、あなたもいずれ背負うのよ。」

「早く半分背負ってやりたいよ。」



マーテルは同い年のよしみなのか、いつも私をこうして気遣ってくれる。



「明後日の建国記念パーティーにはデネブリスの王も来るらしいし、お前を守れるように気合い入れとかないとな!」



腰に下げた剣の柄に手をかけ、強い意志のこもった笑顔を私に向ける。

本当に、頼もしい限りである。



「明日にはデネブリス王や貴族のお偉いさんたちが城に集まって来る。…気を付けろよ。」

「もちろんよ。」
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