いつか永遠の眠りにつく日まで
さらに翌日、建国記念パーティー当日。城内は朝からバタバタと大賑わいだった。



「朝から大賑わいね…。」

「お前だってパーティーだけじゃなく、記念式典もあるんだぞ。」



今日は1日私の護衛を務めてくれるマーテルが、溜め息混じりに言う。

そういうマーテルも今日は公の場なので、剣は携帯しているものの鎧は着ていないし、いつもと違い華やかな装いだ。



「リーリア様、お召替えを。」



ノック音が聞こえ、侍女が部屋へと入って来た。

私も支度しなければ。



「えぇ。」



ルチェルナ王国のドレスはシンプルなデザインのものが多い。

今日のドレスも、かなりシンプルなものだ。


白い生地に淡い水色や黄緑色のチュールを重ねたドレスは、清潔感と愛らしさを感じさせる。

刺繍には金色の糸が使われている。



「どう?」



ヘアメイクをしてもらった後、部屋で待機していたマーテルに見せびらかす。

マーテルはシャイだから、きっと顔を真っ赤にする。でも照れながら、褒めてくれるはず。



「ま、まぁ、いいんじゃねぇの?」



真っ赤になった顔を隠すように、ふいっとそっぽを向きながら、予想通り褒めてくれた。

(ほら、ね。)


彼のこういうところが可愛くて、意外と好きだったりする。
< 6 / 133 >

この作品をシェア

pagetop