ふたりの道が重なるまで


声のする方に視線だけ移すと、どうやら他の観客たちもいたようだ。




目の前の男性にばかり目を向けていたから全く気づかなかったけど、当然の如くA、B、Cが居て、そしてその周りにはその他の男性A、B、Cが座っていた。




私にものを申してきた男性Aは顔が真っ赤で泥酔しているようだった。




『だーかーらー、俺らのこと、ひっっく、バカにしてんのかっつってんだよ!!』




『飲みすぎだぞ。これ以上喋るのなら帰れ。』





今にもつかみかかってきそうなAは例の男性の発した一言で急に縮こまった。




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