ふたりの道が重なるまで


『すみませんでした。』




聞こえるか聞こえないかぐらいの声でぼそっと呟いたあと、男性は俯いた。




『とりあえず座ったら?』




言われるがままに男性の向かい側に座った。





私が座るのを見るなり、桜子もすぐ男性の隣に駆け寄り席に着いた。





………………





沈黙の時間が流れるが、誰一人としてこの静寂な空間に終止符を打たない。






このまま無駄な時間を過ごすのは私の性に合わない。



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