ふたりの道が重なるまで
今日は人生初の合コンの日。
『待ちに待った』ではなく、私にとっては憂鬱そのもの。
勉強ばかりしてきた私は、誰もが羨む超難関大学『薄桜大学』に入学した。
この大学で何かを成し遂げたかったわけじゃない。
ただ、つまらない毎日を送っていたから、薄桜大学に受かれば何かが変わるのかもしれないと少しだけ期待をしていた。
政治家や芸能人といった、日本の中枢を担う人ばかりを輩出してきた薄桜大学への入学が決まった時、学校の教師と塾の講師はこれでもかと言わんばかりの笑顔を見せてきたのに対し、両親は至って普通の反応しか示さなかった。
あ~だから私みたいな娘ができたんだってその時は妙に納得した。
入学してからも学校と家の行き来のみが私の日課だったから、これといった友達もなく、平凡な日々を過ごしていた。