ふたりの道が重なるまで


すーーっ


思わぬ方向に体ごと引っ張られ、途端に金縛りが解けたが、勢いで顔面が畳に叩きつけられるというなんとも不格好な姿を晒してまった私を見て、桜子は傍らで笑い転けていた。



鉄の味覚を少し感じながらも体を起こし、周りを見渡すと、桜子の反応とは真逆の反応を示す男性がじーっとこちらを見ながら座っていた。
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