その指に約束のキスを

1.突然のプロポーズ


「あなたを迎えに来ました」

仕事からの帰り道突然家の前で知らない男性に告白されその場で固まる。

「聞こえました?」

「はい、聞こえてます

それで貴方は誰なんですか?」

背はあまり高くなくだけど、ふわふわの茶色い髪の毛にカッコ可愛い整った顔。
1度見たら絶対忘れないだろうけども中々思い出せずに困った顔をする。

「あれ?本当に覚えてないですか?」

「はい
どちら様でしょうか?」

私が質問に質問で返すと相手の男性も困った顔をしながら、"おかしいな"とか"昔と変わってないと思うんだけど"とか言いながら首を傾げる。

するとコホンッと咳払いを1度して、再び私を真っ直ぐ見る。

「優希姉ちゃん」

うるうると子犬のような目で私を見て名前を呼ぶ。この可愛さは、間違いない!と確信した。

「り、諒くん?」

確信したものの恐る恐る聞くと、爽やかな笑顔でこくんっと頷く。
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