壊れてしまった宝物

「またまた明日！バイバ〜イ！」

手を握った後、律と空は手を笑顔で振る。バイバイの挨拶が終わった後、空は理沙の手を掴んだ。まだまだ小さい手だ。

「志村先生、明日もよろしくお願いします」

「はい。また明日もよろしくお願いします」

律がニコリと笑う。まるでテレビの中のアイドルのような笑顔に、理沙の心がふわりと癒された。空の笑顔、そして律と話す少しの時間。これが理沙にとっての宝物だ。

自転車に空を乗せ、理沙は今度はスーパーへと自転車を漕いでいく。その間、空は今日あった出来事をたくさん嬉しそうに話していた。

「今日ね、空がブランコに乗ってたら律先生が背中を押してくれたんだ！それから、そうくんやはなちゃんと先生と一緒にボールでも遊んだの！」

「へぇ〜。先生やみんなとブランコとボール遊びをしたんだ。楽しそうだね」

「うん！すっごく楽しかったよ。それからね、お昼ご飯にピーマンが出たんだけどね、先生が応援してくれたからちゃんと食べられたんだ！」

「すごい！ピーマンを食べれたの！？偉かったね〜」