壊れてしまった宝物
ところが、交際が始まってすぐに、彼は「ホテルに行こう」と理沙を誘ってきた。付き合い始めてすぐにそのような行為に及ぶなど、理沙は考えられずに当然断る。すると、彼はいつも怒ったのだ。
「俺のことが嫌いなのか!好きなら、求めたら応えてくれるんじゃないのか!」
責め立てられるように何時間も怒られ、理沙は怖くなり、彼に従った。それからデートのたびにホテルへ連れて行かれ、欲を吐き出された。
そんなことが繰り返されるうちに、理沙はある時、生理が止まっていることに気付いた。まさか、と嫌な予感がした。それは当たっていた。理沙のお腹の中には、小さな命が宿っていたのだ。
誰に相談すればいいのか、理沙はわからなかった。学費を払ってくれる親に言えるわけがない。しかし、父親である彼は知っていなければならない。そこで、勇気を出して打ち明けた。その時に彼に言われた言葉に、理沙の心は凍り付いた。
「マジかよ……。堕ろす金っていくらかかるんだっけ?半分は出すから早めに処理してくれよ」
「俺のことが嫌いなのか!好きなら、求めたら応えてくれるんじゃないのか!」
責め立てられるように何時間も怒られ、理沙は怖くなり、彼に従った。それからデートのたびにホテルへ連れて行かれ、欲を吐き出された。
そんなことが繰り返されるうちに、理沙はある時、生理が止まっていることに気付いた。まさか、と嫌な予感がした。それは当たっていた。理沙のお腹の中には、小さな命が宿っていたのだ。
誰に相談すればいいのか、理沙はわからなかった。学費を払ってくれる親に言えるわけがない。しかし、父親である彼は知っていなければならない。そこで、勇気を出して打ち明けた。その時に彼に言われた言葉に、理沙の心は凍り付いた。
「マジかよ……。堕ろす金っていくらかかるんだっけ?半分は出すから早めに処理してくれよ」