だって、しょうがない
「みんな、早いね。私が遅れちゃったのかな。ごめんね」
御曹司の婚約者らしく、淡いピンクの華やかなワンピース姿の美穂が、愛理の向かいの席に腰を下ろした。
「私たちも、今来たばかりだよ」
美穂に会ったら、どんな気持ちになるのか、愛理はあれこれ、想像していた。
取り乱すのだろうか、怒り出すのだろうか……。
けれど、その想像はどれも外れていて、実際には、心が冷えて何も感じていないみたいに冷静だった。
真っ白なテーブルクロスが敷かれ、その上には落ち着いたシルバーのランチョンマット。お豆腐を使ったオードブルが並び、赤のスパーリングワインが運ばれてきた。それを切子加工のグラスに注ぐ。
「美穂、婚約おめでとう。乾杯」
「「乾杯」」
合わせたグラスが、キンッと高い音を立てた。
「はい、私たち3人から婚約祝い」
「わぁ、ありがとう。開けてもいい?」
美穂は、その場でプレゼントを開封して、目を輝かせる。
「素敵なワイングラス。こういうの欲しかったんだ。ありがとう。家に帰ったら早速、使わせてもらうね」
と、花のような笑顔を浮かべた。
「もう新居に引っ越したの? 住み心地はどう?」
由香里の問いかけに、美穂は誇らしげに口角を上げる。
「コンシェルジュが常駐しているから快適よ。ホテルに住んでいるのと変わらないわ」
それを聞いた佐久良が興味津々の瞳を向ける。
「あー、やっぱり、御曹司との結婚いいなぁ。ねえ、向こうの親とか親戚とかうるさいの?」
御曹司の婚約者らしく、淡いピンクの華やかなワンピース姿の美穂が、愛理の向かいの席に腰を下ろした。
「私たちも、今来たばかりだよ」
美穂に会ったら、どんな気持ちになるのか、愛理はあれこれ、想像していた。
取り乱すのだろうか、怒り出すのだろうか……。
けれど、その想像はどれも外れていて、実際には、心が冷えて何も感じていないみたいに冷静だった。
真っ白なテーブルクロスが敷かれ、その上には落ち着いたシルバーのランチョンマット。お豆腐を使ったオードブルが並び、赤のスパーリングワインが運ばれてきた。それを切子加工のグラスに注ぐ。
「美穂、婚約おめでとう。乾杯」
「「乾杯」」
合わせたグラスが、キンッと高い音を立てた。
「はい、私たち3人から婚約祝い」
「わぁ、ありがとう。開けてもいい?」
美穂は、その場でプレゼントを開封して、目を輝かせる。
「素敵なワイングラス。こういうの欲しかったんだ。ありがとう。家に帰ったら早速、使わせてもらうね」
と、花のような笑顔を浮かべた。
「もう新居に引っ越したの? 住み心地はどう?」
由香里の問いかけに、美穂は誇らしげに口角を上げる。
「コンシェルジュが常駐しているから快適よ。ホテルに住んでいるのと変わらないわ」
それを聞いた佐久良が興味津々の瞳を向ける。
「あー、やっぱり、御曹司との結婚いいなぁ。ねえ、向こうの親とか親戚とかうるさいの?」