だって、しょうがない
「証拠になった映像は、弁護士さんへ預けてあるんだけど、あの日の続きがあるはずなんだ。本体のSDカードに残っていると思うの」
あの日、愛理はショックで映像のすべては見ていなかった。不倫の証拠として弁護士へ提出したものは、クラウドの録画機能で収めたものをダウンロードしたものだ。
「時間はあるからいいけど、愛理さん大丈夫?」
「もう淳に未練はないから大丈夫だと思うけど、いやな気分になったのを思い出しそうで……。それに、この部屋では見たくないの」
結婚したときから、使っていたお気に入りの家具。ベッドやソファーは厳選してそろえたものだ。その大切な空間を踏みにじるように情事に耽っていた淳と美穂。その時の映像をココで見るのは辛すぎる。
「じゃ、荷物を運びがてら、オレの部屋で見ようか」
「変なお願いしてごめんね。翔くんだって、見たくない映像だよね」
「いいよ。兄キの不倫の証拠。どんなものか、ちょっと気になっていたんだ」
「離婚の証拠としては、弁護士さんのお墨付きがあるぐらいの内容だから、覚悟した方がいいよ」
ため息まじりの愛理の言葉に翔は眉根を寄せ険しい表情になる。
「覚悟か、たしかに必要だ」
身内の情事なんて、見ていて気持ちの良いものではない。気持ちを強く持たなければ見れないだろう。
あの日、愛理はショックで映像のすべては見ていなかった。不倫の証拠として弁護士へ提出したものは、クラウドの録画機能で収めたものをダウンロードしたものだ。
「時間はあるからいいけど、愛理さん大丈夫?」
「もう淳に未練はないから大丈夫だと思うけど、いやな気分になったのを思い出しそうで……。それに、この部屋では見たくないの」
結婚したときから、使っていたお気に入りの家具。ベッドやソファーは厳選してそろえたものだ。その大切な空間を踏みにじるように情事に耽っていた淳と美穂。その時の映像をココで見るのは辛すぎる。
「じゃ、荷物を運びがてら、オレの部屋で見ようか」
「変なお願いしてごめんね。翔くんだって、見たくない映像だよね」
「いいよ。兄キの不倫の証拠。どんなものか、ちょっと気になっていたんだ」
「離婚の証拠としては、弁護士さんのお墨付きがあるぐらいの内容だから、覚悟した方がいいよ」
ため息まじりの愛理の言葉に翔は眉根を寄せ険しい表情になる。
「覚悟か、たしかに必要だ」
身内の情事なんて、見ていて気持ちの良いものではない。気持ちを強く持たなければ見れないだろう。