だって、しょうがない
 愛理は、由香里と佐久良と3人で、絨毯が敷き詰められた廊下を進み、「朝比奈美穂様お控え室」と書かれた部屋に到着した。

 ドアを開けると大きな鏡の前には、花嫁よろしく、白いマーメイドラインのドレスに身を包んだ美穂が華やかな笑顔を浮かべる。

「みんな、来てくれてありがとう」

「おめでとう。美穂、スゴイ素敵!めちゃくちゃ綺麗だよ。婚約者の田丸さんも鼻が高いね」

 佐久良に褒められ、美穂は満足そうにうなずいた。

「ありがとう。今日は誠二さんのお友だちも来てるから、出会いのチャンスよ。楽しんでね」

「楽しみだわ!」

 佐久良の率直な言葉に、美穂が愉悦の笑顔を見せる。
 幸せを掴んだ最高潮の美穂の微笑みに、愛理は口角を上げた。
 
「美穂、婚約おめでとう! この前、みんなでプレゼントしたブカラのグラス気に入ってくれてるみたいで嬉しいな。インストにもアップしてたでしょう⁉」

 刹那、美穂の笑顔が消え表情が凍り付く。
 まさか、裏アカウントで作っていたインストの画像を愛理に知られているとは思っていなかったのだ。

「え? いったい! 何の話し?」

 

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