だって、しょうがない
4
金曜日、ターミナル駅に着いた愛理は、待ち合わせの大きな柱に身を寄せた。
「由香里ももうすぐ来るかな?」
時間潰しに、スマホをタップして、淳のスマホにダウンロードした追跡アプリWatch quietlyを立ち上げると、画面地図上を赤い丸が点滅している。
赤い丸は淳の現在地、会社から出て最寄り駅の方に移動中なのが分かった。
──会社の仲間と……。なんて、言っていたけど本当なのかな?
そんなことをふと思い、画面を閉じる。顔を上げれば、ちょうど人ごみの向こうから由香里が歩いて来るのが見えた。小さく手を振り合図を送る。
「由香里!」
「いつも待たせてごめんね」
「ううん、私も来たばかりだから」
「じゃあ、お店に行こうか」
由香里の案内で、ターミナル駅から5分ほどにある、今日のお目当てのお店に向かい歩きだした。
少し前を歩く由香里は、長い髪をかき上げて、颯爽としている。女性として、内面からイキイキして仕事も生活も充実しているのがわかる。
自分とは対照的な由香里の自信の満ちた様子が眩しく見え、愛理は目を細めた。
「私もイメチェンしようかな?」
「イメチェン? いいんじゃない? 髪の色を少し明るくするとメイクも明るい色をチョイスするようになるから、気持ちも上がるよ」
「うん、グズグズと悩んでばかりいないで、色々とチャレンジしてみる」
「そうそう、その調子!」
「由香里ももうすぐ来るかな?」
時間潰しに、スマホをタップして、淳のスマホにダウンロードした追跡アプリWatch quietlyを立ち上げると、画面地図上を赤い丸が点滅している。
赤い丸は淳の現在地、会社から出て最寄り駅の方に移動中なのが分かった。
──会社の仲間と……。なんて、言っていたけど本当なのかな?
そんなことをふと思い、画面を閉じる。顔を上げれば、ちょうど人ごみの向こうから由香里が歩いて来るのが見えた。小さく手を振り合図を送る。
「由香里!」
「いつも待たせてごめんね」
「ううん、私も来たばかりだから」
「じゃあ、お店に行こうか」
由香里の案内で、ターミナル駅から5分ほどにある、今日のお目当てのお店に向かい歩きだした。
少し前を歩く由香里は、長い髪をかき上げて、颯爽としている。女性として、内面からイキイキして仕事も生活も充実しているのがわかる。
自分とは対照的な由香里の自信の満ちた様子が眩しく見え、愛理は目を細めた。
「私もイメチェンしようかな?」
「イメチェン? いいんじゃない? 髪の色を少し明るくするとメイクも明るい色をチョイスするようになるから、気持ちも上がるよ」
「うん、グズグズと悩んでばかりいないで、色々とチャレンジしてみる」
「そうそう、その調子!」