愛はすぐそばに
そんな日々を過ごしているうちに2年は終わり、3年に進学して中澤くんと同じクラスになった。


相変わらず私と話すことはなかった。



でも私の気持ちは全然変わっていなかった。



2年のときよりも中澤くんを思う気持ちは大きくなっていた。


2ヶ月…4ヶ月…6ヶ月…
時がたつにつれ、卒業式は近づいていた。


"このまま中澤くんと会えなくなるのかな"


いつも家で泣いていた。

あせっていたのかもしれない。




ある日、靴箱を見ると、同じクラスの川倉くんからの手紙が入っていた。

おそるおそるのぞいてみた。


『付き合って下さい』


一言そう書かれていた。


涙が出てきた。


なぜか分からない。
でも自然に涙が溢れてきた。



"川倉くんも私が中澤くんを思うように私のこと思っていたのかな…でも付き合うなんてできない。中澤くんのことが好きだから。忘れることなんてできないから…"



次の日、川倉くんと廊下ですれ違った。


私をずっと見ているけど、私はわざと目をそらした。



"川倉くん、ごめんね。気持ちすごく分かるけど付き合うことはできない"



とうとう…


卒業式の日がやってきた。


みんな泣いていた。


私もみんなにまぎれていっぱい泣いた。



卒業証書を1人ずつにわたしているとき、中澤くんの番がやってきた。


そのとたん私の目に涙が溢れてきた。


"これで中澤くんに会うのは最後になるのかな"


集合写真を撮り終わって中澤くんを見てみると目が合った。


久しぶりかもしれない。

その時だった。


中澤くんが私に一瞬だけ微笑んだのだ。



その笑顔は今でもどういう意味なのか分からない。


でも私には悲しそうな目をしている気がした。



"いつか会えるよね"


その時の私はそう信じていた。
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