愛はすぐそばに

10年たった今でも中澤くんのことを忘れたりはしていない…。


初めてあんなにも愛した人だから。



今日、私の家に一通のハガキが届いた。


それは中学校の同窓会だった。


"もしかしたら中澤くんと会えるとかも"


そう思うとすごく嬉しかった。



押し入れにある中学の時の卒業アルバムを久しぶりに見てみた。


いっぱいの人の顔写真の中やっぱり目につくのは中澤くんだった。


いつ見ても胸がときめく。


写真の中で笑っている中澤くんが私に笑いかけているように見えた。


"私のこと覚えててくれたらいいな"



次の日の夜、同窓会をする店に向かっていた。


その間ずっと胸がドキドキしていた。



店のドアを開けると中学のときの友達がいっぱいいた。


でもなぜか、私が一番会いたい人の姿が見えなかった。



｢みんな、静かにして下さい。｣


学級会長だった子が言った。


｢残念なお知らせですが…
先日、中澤隆斗くんが病気で亡くなりました。｣


騒がしかったみんなが一斉に鎮まった。


私も何が何だか分からなかった。