願わくば、再びあなた様と熱い口づけを。
――目を閉じれば十五が笑って、そして私に背を向けて去っていきます。
いくら追いかけても距離は離れていくばかりで、いつしか姿が見えなくなりました。
最後に会った十五はすでに亡くなっていました。
魂が形を成して私の目の前に現れたのかもしれません。
もう十五の笑顔が思い出せなくなるほど、長い月日が流れました。
私は身を削り続け、身体を壊し、それでも使い捨ての道具のように扱われる道をたどりました。
命が尽きる直前に、私は願いました。
”二人で描いた夢が叶いますように”と。
そして命尽きた私の魂は門の外へと向かって走り出していました。
笑って私に手を差し伸べる一人の男の大きな手のひらにそっと手を重ねるのでした。
叶うのならば、あなたとまた口づけを。
〜葵編 完〜