死神?・・は・・・私の・・・?
次の朝、麗香はスッキリと目覚めた。
― しゃくだけど、スティルと話をした次の日はスッキリしている。
― でも・・・もう誰も死なせないから・・・
― スティルとの契約は破棄・・・

忙しい日々が続き、林田副婦長の死から1ヶ月が経った頃、私と亨の休みが重なった。
職業柄良く寝れるようにと二人の寝室は別にしていた。最近は食事も昼も夜も病院の食堂で済ませ、お互いのタイミングで寝ていたので、顔を合わせることもあまりなかった。
「おはよう。」
亨に挨拶をされて麗香はビクッとした。
「おはようございます。今日は随分早いお目覚めですね。」
「きみだって休みなのに早いじゃないか。」
「私は休みでも毎日同じ時間に起きています。」
「そうなのか・・・あのさ、今晩は何か用事があるか?」
「・・・いいえ、特に何もありません。」
「今日、何の日か覚えてる?」
― えーっと、・・・何だっけ?
「忘れてた? 5回目の結婚記念日だよ。だから食事をしようと思ってね。レストランを予約してある。」
「・・・それはありがとうございます。あの、昼間はちょっと用事がありまして、レストランで待ち合わせでもよろしいですか?」
「ああ、かまわないよ。では携帯に場所を送っておくから。19:00からだ。」
「わかりました。」
― しまった・・・結婚記念日・・・完全に忘れてた・・・夜勤入れておけばよかった・・・
― しかし、レストラン予約したなんて・・・2年目の時以来よね・・・罪滅ぼし?
― まあ、食事位いいか・・・最近美味しいもの食べてないし・・・
― ねースティル。いいでしょ? ちょっと・・・なんで返事しないのよ・・・
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