死神?・・は・・・私の・・・?
『どうします? もうあなたには30分しか時間がありません。』
『余命30分ということですか?』
『はい。旦那さんのせいでね。』
『・・・』
『そうだ、折角だからもう少し契約内容のことお話ししましょうか。あなたが僕と契約するということは・・・あなたは僕の相棒? パートナー? 共生? 違うな・・・僕は生きてないから・・・まあ、とにかく僕の協力者になるということですかね。でも、あなたは今まで通りの生活が出来る。それと、あなたは僕のように死者を死界に送り届けることはしない。・・・あなたから見える死神は僕だけ。あなたが死ぬときはこの僕しか死界に送ることは出来ない。僕があなたの命を預かっているってことですかね。・・・そして本題。あなたが僕に紹介できる死にゆく人には条件があります。ただケガや病気でもう死ぬのが秒読みという人ではダメなのです。それは僕か簡単に手に入れられますからね。今までの僕の努力が実り、この病院の担当になれたのでね・・・。ですからあなたには少し余命がある人で、あなたとどなたかもう一人が保々同時に“死んだほうが良い、死んでほしい”と思ってしまった人を紹介するというのが条件です。』
『そんなあなたが望むような人・・・条件が合致するなんてめったにありませんよね。』
『意外とあると思うなー。まああなた次第なんですかね・・・』
『それに、私が“死んだほうが良い”なんて思うことないですし、医者として絶対そんなこと思いません。医者としての倫理に反します。それなら私が死にます。』
『そうですか。私はそれでも一向に構いません。あなたは医者だからポイント高いですしね。でもいいんですか? あなたが死ねば、旦那さんとあの看護婦さん、いや林田さんでしたっけ・・・あの二人はなにも問題が無くなり、彼女はそのうち院長夫人となる。悔しくないのですか?』
『イャです。やっぱりイャ!』
『あなたは気持ちがフラフラしている。・・・人間って面白いですよね。いゃ、あなたが面白いのか。あなたは生き返ってももう絶対旦那さんとよりを戻すことはないですよね。いろいろ知りすぎてしまったし・・・それでもまだ生きていたいですか?』
『はい。あなただって死ねといったり悔しくないのかって言ったり・・・何なんですか・・・』
『ハハハ、そうだった。僕もあなたにつられてしまった。まあ、とにかくあなた次第です。決めてください。・・・話しているとどんどん時間が無くなりますよ。あと10分です。』
『・・・あの、私は何人あなたに紹介すればいいのですか?』
『あー、その気になりましたか? それはですね・・・えーっと、まずここで僕と契約する年数は10年です。』
『10年・・・誰も紹介しなくても10年生きられるということですか?』
『いえ、違います。契約日から1年間僕に誰も紹介しないとその時直ちにあなたは死にます。1年に2人が最低ラインです。それが10年間の契約内容です。10年経ったらその時また話し合いをして契約更新をするか、死んで頂くかです。』
『あー・・・毎年2人、20人は紹介しろということですか・・・何もしないと1年で死ぬんですね。』
『まあ、そんなとこですね。貯金は出来ます。1年で20人紹介してもらったらその後何もしなくても10年生きられますよ。まあ、細かい決まり事は・・・契約後、おいおいお話ししますよ。あと、この契約をすることであなたにとって良いこともあります。』
『それは何ですか?』
『それは言えません。契約後のお楽しみも無いとつまらないじゃないですか・・・残しておかないとね・・・。さあどうしますか? もう時間がありませんよ。』
『・・・』
『では、泉田麗香さん。時間切れです。人生お疲れさまでした。カウントダウンに入らせていただきます。10・9・8・7・6・5』
『待って! 待ってください! 契約してからも考える時間あるってことですよね。1年は。』
『まあ、そういうことですね・・・』
『契約します! します!』
『フッ・・・わかりました。契約完了です。これからよろしくお願いしますね。・・・では泉田麗香さん、明日スッキリお目覚めください。』
死神は麗香の頬に触れた・・・
イズミダレイカ ト 20×× 0526 ケイヤク
イズミダレイカ ノ セイゾンニッスウ ハ 365 ニチ
『余命30分ということですか?』
『はい。旦那さんのせいでね。』
『・・・』
『そうだ、折角だからもう少し契約内容のことお話ししましょうか。あなたが僕と契約するということは・・・あなたは僕の相棒? パートナー? 共生? 違うな・・・僕は生きてないから・・・まあ、とにかく僕の協力者になるということですかね。でも、あなたは今まで通りの生活が出来る。それと、あなたは僕のように死者を死界に送り届けることはしない。・・・あなたから見える死神は僕だけ。あなたが死ぬときはこの僕しか死界に送ることは出来ない。僕があなたの命を預かっているってことですかね。・・・そして本題。あなたが僕に紹介できる死にゆく人には条件があります。ただケガや病気でもう死ぬのが秒読みという人ではダメなのです。それは僕か簡単に手に入れられますからね。今までの僕の努力が実り、この病院の担当になれたのでね・・・。ですからあなたには少し余命がある人で、あなたとどなたかもう一人が保々同時に“死んだほうが良い、死んでほしい”と思ってしまった人を紹介するというのが条件です。』
『そんなあなたが望むような人・・・条件が合致するなんてめったにありませんよね。』
『意外とあると思うなー。まああなた次第なんですかね・・・』
『それに、私が“死んだほうが良い”なんて思うことないですし、医者として絶対そんなこと思いません。医者としての倫理に反します。それなら私が死にます。』
『そうですか。私はそれでも一向に構いません。あなたは医者だからポイント高いですしね。でもいいんですか? あなたが死ねば、旦那さんとあの看護婦さん、いや林田さんでしたっけ・・・あの二人はなにも問題が無くなり、彼女はそのうち院長夫人となる。悔しくないのですか?』
『イャです。やっぱりイャ!』
『あなたは気持ちがフラフラしている。・・・人間って面白いですよね。いゃ、あなたが面白いのか。あなたは生き返ってももう絶対旦那さんとよりを戻すことはないですよね。いろいろ知りすぎてしまったし・・・それでもまだ生きていたいですか?』
『はい。あなただって死ねといったり悔しくないのかって言ったり・・・何なんですか・・・』
『ハハハ、そうだった。僕もあなたにつられてしまった。まあ、とにかくあなた次第です。決めてください。・・・話しているとどんどん時間が無くなりますよ。あと10分です。』
『・・・あの、私は何人あなたに紹介すればいいのですか?』
『あー、その気になりましたか? それはですね・・・えーっと、まずここで僕と契約する年数は10年です。』
『10年・・・誰も紹介しなくても10年生きられるということですか?』
『いえ、違います。契約日から1年間僕に誰も紹介しないとその時直ちにあなたは死にます。1年に2人が最低ラインです。それが10年間の契約内容です。10年経ったらその時また話し合いをして契約更新をするか、死んで頂くかです。』
『あー・・・毎年2人、20人は紹介しろということですか・・・何もしないと1年で死ぬんですね。』
『まあ、そんなとこですね。貯金は出来ます。1年で20人紹介してもらったらその後何もしなくても10年生きられますよ。まあ、細かい決まり事は・・・契約後、おいおいお話ししますよ。あと、この契約をすることであなたにとって良いこともあります。』
『それは何ですか?』
『それは言えません。契約後のお楽しみも無いとつまらないじゃないですか・・・残しておかないとね・・・。さあどうしますか? もう時間がありませんよ。』
『・・・』
『では、泉田麗香さん。時間切れです。人生お疲れさまでした。カウントダウンに入らせていただきます。10・9・8・7・6・5』
『待って! 待ってください! 契約してからも考える時間あるってことですよね。1年は。』
『まあ、そういうことですね・・・』
『契約します! します!』
『フッ・・・わかりました。契約完了です。これからよろしくお願いしますね。・・・では泉田麗香さん、明日スッキリお目覚めください。』
死神は麗香の頬に触れた・・・
イズミダレイカ ト 20×× 0526 ケイヤク
イズミダレイカ ノ セイゾンニッスウ ハ 365 ニチ