長嶺さん、大丈夫ですか?
「うん、うん、おち、落ち着こう花樫さん、深呼吸して、ね」


 社長に食って掛かろうとする私を、長嶺さんがまた引き留めようと肩を掴んだけど、それをまた振り払う。


「長嶺さんは確かにチャラいですけど!女の子からの通知は鳴りやまないしあわよくばすぐに手を出しますけど!女の子を同意なく傷つけるようなことをする人じゃありません!!絶対に!!ありえません!!」


 私はちょうどいいところにある高そうなローテーブルに足をガン!!と置いた。




「処女の私が証明します!!」



 
 私の告白が事務所内にこだました、直後。


「「…………」」

 
 冷房のボォー……という音がうるさく感じられるほどの、静寂が訪れた。

 



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