長嶺さん、大丈夫ですか?
 ⌒* ⌒*



 人気のない休憩室の片隅で、東さんはコーヒーの湯気越しに神妙な顔で呟いた。

「……マジか」

「はい」

「いや、知ってたけどね」

「え?」

「花ちゃんが長嶺のこと大好きだってことくらい」

「え!?」

 私は思わず跳ねるように立ち上がった。
 東さんはそれを気に留めることもなく「でもまさか告白するとは思わなかったな~」とコーヒーを啜る。

「えっ、待ってください、長嶺さんが好きなんだって気が付いたのは昨日で…」

「うん、思ったより遅かったわね。そこが花ちゃんの可愛いとこだけど」


 ってことは

 長嶺さんも気付いてた?
 

「っ……」


 プルプル震えて涙をにじませ始める私に、東さんがハッとして私の隣にやってくる。

「あ~違うの、バカにしたわけじゃないのよ。ごめんね、泣かないで」

 東さんが私をぎゅう、と抱きしめてくれて、その優しさに涙が外に出ようと押し寄せる。

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