長嶺さん、大丈夫ですか?
「…………ん」
……ピチチ。 小鳥のさえずり。
なんとか押し上げた瞼の先には、
カーテンの隙間から漏れる朝日に照らされた無防備な寝顔。
……私の上司、長嶺光。
「…………」
見覚えのある天井の照明は、長嶺さんの部屋のそれ。
ベッドに横たわる私の頭の下には長嶺さんの生身の腕があって、その先には長嶺さんの生身の、裸体。
いま目にしてる世界が現実なのか分からなくなった私は目をパチパチとさせる。
逞しい筋肉がついた引き締まった体はなめらかで発光しそうなほどに白くて綺麗で、夢の中で見たのと同じだった。
……なん?
視線を下ろして自分の姿を確認してみる。
ノーブラに大きめの白いTシャツと、グレーのスウェットズボン。 おそらく長嶺さんのもの。
そして膨れ上がるようにして思い出されるのは、昨夜の濃厚な時間の記憶と、極めつけの、下腹部の違和感。
……あ
これ、添い寝だ