長嶺さん、大丈夫ですか?
⌒* ⌒*
「おはようございまーす」
月曜日の朝。
私から向かって後方にあるオフィス入り口から、少し掠れ気味の特徴ある男の声が放られた。
ドキッとした私はPCにかじりついて集中するふりをして、聞こえなかった風を装う。
いつものように同僚たちとご機嫌な挨拶を交わしながら、ツカツカと向かってくる例の足音。
全身からじわ、と冷汗が噴きだした時、その足音がすぐそこで止まった。
私の隣のデスクにドサッと鞄を置いたその人からふわり、香ってくる甘い香水。
二重の意味でドキドキしながら、恐る恐る顔を上げる。
「おはよう。 花樫さん」
そこにはいつもよりニッコニコ三割増しの上司がいた。
「…………おはようございます」
長嶺さんの、こんなに目の色が濁った笑顔は初めてだった。
ニコニコ、ニコニコと圧をかけてくる上司に釣られてわずかに口角をあげつつ、目をそろ~りと逸らす。
「おはようございまーす」
月曜日の朝。
私から向かって後方にあるオフィス入り口から、少し掠れ気味の特徴ある男の声が放られた。
ドキッとした私はPCにかじりついて集中するふりをして、聞こえなかった風を装う。
いつものように同僚たちとご機嫌な挨拶を交わしながら、ツカツカと向かってくる例の足音。
全身からじわ、と冷汗が噴きだした時、その足音がすぐそこで止まった。
私の隣のデスクにドサッと鞄を置いたその人からふわり、香ってくる甘い香水。
二重の意味でドキドキしながら、恐る恐る顔を上げる。
「おはよう。 花樫さん」
そこにはいつもよりニッコニコ三割増しの上司がいた。
「…………おはようございます」
長嶺さんの、こんなに目の色が濁った笑顔は初めてだった。
ニコニコ、ニコニコと圧をかけてくる上司に釣られてわずかに口角をあげつつ、目をそろ~りと逸らす。