長嶺さん、大丈夫ですか？

「っ……、」


　
　だって

　だって、これ以上長嶺さんの近くにいたら……



「……すみません」



　涙交じりの声を出すと、長嶺さんはおでこを離した。



「なんで謝んの」



　長嶺さんは私の言葉を汲みとろうと、まっすぐに私の目を見る。

　私はゴクン、と唾をのんだ。



「私……添い寝ガールズできません」



　言いながらポロ、と一粒涙がこぼれた。


　
「…………なんて？」


　
　対して間抜けな声を出す長嶺さんに腹が立って、その胸をドンッと押した。


「長嶺さん、沼なんですよ……っ！　抜け出せなくなっちゃうじゃないですか！」

「え……？　それの何がいけない？」


　本当にわからないらしい長嶺さんにさらに腹がたって、わたしは声を大きくした。


「わかんないですか？　つらいんですよ、自分だけじゃないことが！」