長嶺さん、大丈夫ですか?
「ちょ……ちょっと待った」


 困惑が混ざる長嶺さんの声に目を向けると、長嶺さんは頭が痛そうに額を押さえて目をパチパチとさせていた。


「俺、言ったよね?」

「……?」

「〝好きだよ〟〝俺と付き合って〟って」


 ……ああ。 金曜日にキスした後、確かにそんなようなことを言われた。


「あ、はい……えっ」


 あれって、


「その場のノリ……かと……えっ」

「えーーーー……」


 長嶺さんはよろ、とふらついて、その場にへなへなとしゃがみ込んだ。


「そんなことノリで言うわけないでしょうよ……!」

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