長嶺さん、大丈夫ですか?
「っ、でも、本命は大事にするものだって、ネットニュースでも、」

「めっちゃ大事に抱いたよ? 普通あんな前戯に時間かけないし花樫さんだって気持ちよさそうに何回もイッ」

「とととにかく!!」


 長嶺さんがしれっと夜のことを言おうとするので、顔を熱くさせながら慌てて言葉を遮る。


「そんな、今まで遊び歩いてた人に急に好きって言われたって信じられません…!」

 
 そう、そうだ、長嶺さんは今まで私を圏外、絶対無理、と遠ざけていたのに。
 急に手のひら返して『真剣に交際したい』なんて、おかしい!
 第一私は迷惑をかけるようなことしかできていなくて、私のどこがよくて好きになったのかもわからない。

 私は長嶺さんに繋がれた手を勢いよく離した。
 

「もしかしてみんなに同じこと言ってるんじゃないんですか!? 最低です!」


 考えてみれば職場の子には手を出さないって言ってたけど、実は私が知らないだけでもうほかの女性社員に『内緒だよ』とか言って手を出してる可能性だってある。 大いに想像できる……!


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