長嶺さん、大丈夫ですか?
「私としては、すっごく優しくて気遣いできるし、かっこいいし笑顔可愛いし大人だし、かなりいいと思うんですよ!それに食べ物の好き嫌いもないし、キレイ好きだし!」

「…………はい?」


 なんで突然マウントを取ってくるの?

 そんなこと言われなくても知ってますし。

 段々と優花さんに対する苛立ちが膨れ上がっていく。


「それがなにか」

「あの、それで、多分ですけど、みねくんの感じからして多分すごく、あのー……」


 と、何か言いかけた優花さんの背後に。
 

「こら」

「アタッ」


 いつの間にか戻ってきていた長嶺さんが、優花さんの頭を軽く小突いた。


「なにうちの子いじめてんだ」

「わ、ご、ごめん……!そんなつもりは!」


 どっちかと言うといじめそうになっていたのは私だったので、少し優花さんに申し訳ない気持ちになる。

 それでもやっぱり仲の良さそうな二人に、私の内側はどんどん黒くなる。




「遅い」


 長嶺さんの後方、出入り口のほうから男の人の低い声がした。


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