長嶺さん、大丈夫ですか?

彼女が可愛すぎてしんどい。



 ……今、何時だ。

 ゆっくりと重たい瞼をあげる。

 目に飛び込んできたのは、まぶしい朝日を浴びてすぅすぅと寝息をたてる会社の後輩。

 彼女二日目の、花樫理子。

 
「……」


 いつもはきつく結んでる髪を無防備に投げ出した彼女が、俺の部屋の俺のベッドにいる。
 俺の腕に頭をもたれさせて俺が着古したダボダボのシャツを着て、眠っている。

 その事実だけで鎖骨のあたりがくすぐったくなって、少し息苦しくなる。

 そっと彼女の髪を梳きながら撫でてみると、指通りの良いサラサラな黒髪から俺と同じシャンプーのサボンが香った。
 

 あー……たまんねー……。

 
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