長嶺さん、大丈夫ですか?
 慌てて起きあがろうとする理子ちゃんを笑顔で制してベッドに沈め、文句をキスでふさぐ。


「ん……、」

 
 もっと、もっと見たい。

 全部知りたい。

 いつもクールな彼女の、俺だけが知ってる顔。


「っ……、ふ、」

 
 感じすぎて泣いてしまう彼女に、愛おしさが込み上げる。


「ほんとかわいい……好きだよ。理子。すげぇ好き」


 もうこんな風に愛せる人、現れないと思ってた。

 いろんなこと犠牲にしてでも欲しくなるぐらい、好きになるなんて。

 この子を絶対離したくない。

 もっともっとドロドロに甘やかして、俺に溺れさせたい。

 もう俺以外見えないように、夢中にさせたい。


「私もです……大好きです、光さん」


 しがみつかれながら言われて、柄にもなく顔が火照った。
 

「……ほんと煽るの上手」


 キョトンとするピュアな彼女に、もっと堕ちろって黒いことを考えながら、熱い衝動を余すことなくぶつけていく。


「んっ……、はぁ、」


 この子を幸せにしたい。
 俺はこの子と幸せになりたい。

 いま俺が本気でそう思ってること、まるごと彼女にあげられたらいいのに。

 そしたらもう不安にさせることもないのに。

 どうやったら彼女にこの気持ち全部あげられるんだろう、なんて。

 答えなんかひとつしか見当たらなかった。






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